弁護士コラム

刑事事件で「前科」がつくタイミングは?

2024.08.26
刑事事件で「前科」がつくタイミングは?

兵庫県明石市の弁護士法人「あんぎゃ法律事務所」です。

今回は刑事裁判において有罪判決を受けた履歴である「前科」について解説します。

「前科」と「前歴」の違いは?

刑事裁判で有罪判決を受けた履歴を「前科」と呼びます。これは懲役刑に限らず、罰金刑、禁錮刑などであった場合も前科として記録が残ります。
対して有罪判決には至らなかったものの、刑事事件の被疑者として捜査された場合「前歴」となります。

いずれの場合も一般の方が、この履歴資料を閲覧することはできません。
「前科」は本籍のある市区町村に一定期間、犯罪人名簿として記録が残り、事務手続きのための内部資料として使用されます。こちらは一定期間、履歴書などに「賞罰欄」がある場合は記載する必要があり、新規でパスポートを取得する場合の発給制限、医師・弁護士・看護師・教員・公務員などの資格を要する職種では、前科の内容によっては資格が制限されるなど法的効力があります。
しかし「前歴」は警察内部の捜査資料のため、不利益はありません。

どのタイミングで「前科」はつく?

有罪判決が下りた時点で前科は付きます。
「逮捕=有罪」と誤解されがちですが、検挙された刑法犯の半分以上は不起訴になっています。また逮捕が行われない在宅事件において、警察から検察へ送られる手続きである「書類送検」もこの時点では前科はつかず、前科がつくのは検察官によって起訴され、有罪判決を受けた場合です。
通常の刑事裁判ではなく、比較的軽微な事件を簡易的な裁判を行う略式起訴においても、有罪になった場合には前科はつきます。

不起訴になれば前科はつきませんが、日本では起訴されると99.9%の割合で有罪。起訴された時には前科が付くことを考えたほうが良いでしょう。

前科が消えることはある?

結論から言うと、前科が消えることはありません。
ですが、以下の期間が過ぎた場合、法律上の手続きなどにおいて前科はないものとして取り扱われることになります。

◎禁錮・懲役の前科
刑期を終えてから10年間罰金以上の刑に処せられなかった
◎罰金前科
罰金を支払ってから5年間罰金以上の刑に処せられなかった
◎執行猶予付の前科
執行猶予期間を経過

早目のご相談を。

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犯罪を行った場合でも、示談により回避できる可能性もあります。

示談は当事者間の話し合いにより、刑事事件の民事上の賠償責任を解消する手続きで、そのサポートや手続きには弁護士の介入が必要不可欠となってきます。

また事件発覚前に依頼すれば、刑事事件化の阻止、逮捕・勾留の回避などができる可能性も高まりますので、万が一の場合には早めにご相談ください。

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