弁護士コラム

高齢者の交通事故率や原因について

2025.03.08
高齢者の交通事故率や原因について

2023年時点の統計によると、高齢者人口は全人口の約29.1%。高齢化に伴い交通事故の被害者・加害者いずれもが増加しているのは報道でも耳にされることが多いでしょう。

今回は高齢者ドライバーによる事故を中心に解説します。

高齢者ドライバーによる事故の割合

2023年の「運転免許統計」によると、65歳以上の免許保有者は約1983万人で、保有者全体の約24.2%を占めており全体の事故のうち、65歳以上の高齢者が加害者となったケースは約15%です。

免許人口10万人あたりの死亡事故数は、2023年の統計では75歳以上で5.3件、75歳未満で2.6件…と75歳以上が2倍以上高く、高齢者による交通事故は死亡事故に繋がるリスクが高くなっています。

また死亡事故に至らない件数で見ても、高齢運転者による交通事故の15.4%が高齢者ドライバーによるものとなり、前年より増加となっています。

高齢者ドライバーによる事故の原因

高齢運転者が事故時に違反していた交通規則で主なものは以下になります。

  • 安全不確認/37.8%
  • 交差点安全進行/16.6%
  • 前方不注意/11.6%
  • ハンドルやブレーキの操作不適/7.6%

これらの人的要因となっているのは、80%以上が発見の遅れ。高齢化による注意力や集中力、瞬発的な判断力の低下、反応の遅れが事故回避能力に悪影響を及ぼしているのでしょう。

また75歳以上の高齢ドライバーによる死亡事故は車両単独の事故が多く、75歳未満の運転者は車両単独より人対車両の事故が多く発生しているという統計もあります。

高齢者が事故を起こしたらどうなる?

交通事故の刑罰は年齢関係なく、以下のような責任が生じる場合があります。

<刑事責任>
罰金刑や懲役刑
┗過失運転致死傷罪、危険運転致死罪、建造物損壊罪、運転過失建造物損壊罪など

<民事責任>
被害者の損害に対する金銭的な賠償
┗事故状況や被害内容により異なるが、死亡事故の場合は慰謝料だけで2,000万円以上になる場合もあり

<行政責任>
違反点数や反則金
┗違反点数2点の加算、6,000円〜1万2,000円の反則金(車の大きさによる)

但し高齢者ドライバーの場合、認知機能の低下や持病や服用している薬の副作用などがあると、より責任が重くなる場合もあります。

高齢者の交通事故を防ぐために

高齢者の交通事故を防ぐために

近年は高齢者が免許更新時に、高齢者講習・認知機能検査などを実施し、事故予防対策も充実していますが、これらに免許返納の強制力がありません。

認知症の家族が事故を起こせば、監督義務者の立場となる人が代わりに損害賠償責任を負う場合もあります。周りのご家族などが「いつか事故を起こしそう」と感じることが多くなれば免許返納を促すなど家族としてできることから始め、加害者となってしまわないようサポートしてください。

078-912-0756

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